猫伝染性腹膜炎(FIP)

ちょうど2年前の今日、チロが猫伝染性腹膜炎(FIP)のために亡くなりました。

まだ1歳にもならない仔猫でした。

それまではFIPなどという病気は知りませんでしたし、うちの猫はそのような深刻な病気にかかったこともありませんでした。

うちでは、環境やフード、接し方、病気予防などにかなり気を遣って飼っていたつもりだったので、まさかうちの猫が病気になるなんて思ってもいませんでした。

ネコ伝染性腹膜炎について

原 因

ネココロナウイルスに感染して発症します。

コロナウイルスの感染力は弱く通常の猫同士の接触では感染しないそうですが、唾液や尿、目鼻分泌物にはウイルスが混じっていて、同じ家で生活していたり喧嘩をしたりして感染するらしいです。

コロナウイルスは日本の50%以上の猫が不顕性感染しているといわれる病原性が低いウイルスですが、猫の腸内で変異し、猫伝染性腹膜炎ウイルスとなるといわれています。

多頭飼いの方が単頭飼いよりも発症しやすいという話しもあります(多頭飼いのストレスや、感染機会の増加)。

診 断

猫コロナウイルス抗体価(FCoV抗体価)と臨床症状を合わせて診断していました。

FCoV抗体価は、400倍未満:低抗体価、400~1600倍:感染の可能性あり、3200倍以上:感染が強く示唆される、と検査結果の備考に書いてありました。

症 状

滲出型:ウェットタイプ(75%):
発熱、食欲不振、体重減少、沈鬱化、嘔吐、脱水、腹水貯留、胸膜炎、呼吸困難

非滲出型:ドライタイプ(25%):
眼症状(ブドウ膜炎、虹彩炎、眼球振戦)、神経症状(運動失調、後肢麻痺、行動・性格変化、知覚過敏、てんかん様発作)、消化器・腎臓・肝臓障害(嘔吐、便秘、黄疸)

※両タイプの中間的症状を呈する場合もあるようです。

予 防

コロナウイルスが変異する機構が不明なため明確な予防法は確立されていないようです。

ワクチンも開発されていません(アメリカにはワクチンがあるようですが、効果はあまりないといいます)。

しかし、トイレや食器・フード・水の衛生管理、猫のストレス軽減(変異率を下げるため)は行っておいた方がいいようです。

また、感染猫と接触させないようにしたり、外から感染源を持ち込まないようにすることも必要です。

治 療

根治させる治療法はなく、延命やQOL(Quality of Life:生活の質)を高めるための対症療法が主体となります。

対症療法は、投薬(抗生物質、インターフェロン、ステロイドなどの抗炎症薬)が中心で、腹水や胸水を抜くこともあります。

予 後

発症後、数週間から数ヶ月で亡くなるといわれています。

我が家の猫 チロ の場合

ちょうど2年前は、東日本大震災があった年です。

その大地震の後、なんとなくチロの元気がなくなっていき、最初は「猫も地震でストレスだったのかなぁ」なんて家人と話していました。

以後、経過を綴ってみます。

平成23年3月11日
地震の頃より徐々に元気がなくなる。
じっとしていることが多い。
その後、まっ黄色の尿のことが増える。

平成23年3月19日
動物病院へ。
発熱あり。一般的な血液検査実施。感染症疑い。
点滴、栄養剤注射実施。抗生物質薬と高栄養缶詰をもらう。
外見からわかるくらいに徐々にお腹が膨らんできた。
ずっと元気がない。

平成23年3月29日
動物病院へ。
X線検査、超音波検査の結果、腹水貯留が認められた。
伝染性腹膜炎疑いにて血液検査を行う。
お腹に針を刺して腹水を400ml抜く。
点滴、栄養剤、抗生物質、インターフェロン実施。
便検査ではマンソン裂頭条虫の卵はなし。
発熱あり40度台。

平成23年4月2日
動物病院より電話あり。
ネココロナウイルス抗体価1600倍、臨床所見と合わせて伝染性腹膜炎と診断とのこと。
体重3.29kg

平成23年4月3日
動物病院へ。
抗体価400~1600は境界値とのこと。
しかし、臨床症状あるためFIPで間違いない。
腹水抜く140g分。
インターフェロン注射、点滴、栄養剤注射。
眼や歯茎の黄疸症状なし。
熱あり40度台。

平成23年4月9日
体重3.12kg

平成23年4月10日
動物病院へ。
熱は少し下がって39度台後半。腹水200cc抜く。
抗生剤、栄養剤、点滴、インターフェロン。

平成23年4月16日
動物病院へ。
腹水は超音波検査上あまり見られず今日は腹水抜かない。
39.3度。2.68kg。
点滴、栄養剤、インターフェロン。
痛み止めの座薬をもらった。

呼吸数
19:40 54/min 起座位 腹臥位66
20:15 54/min 起座位
0:00  74/min 腹臥位

平成23年4月17日
7:45 永眠
体重2.7kg
発症してから約1ヶ月。
我が家に来てからちょうど7ヶ月だった。

うちでは、チロがFIPだと診断された後も、他の猫と一緒に生活させていました。

他の猫へのリスクはありますが、病気で元気のなくなったチロだけ隔離することはどうしてもできませんでした。

幸い現在まで他の猫でFIPを発症した猫はいません。

うちで行ったこと

動物病院受診・治療の他に、うちで試してみたことは、

・様々な美味しそうなウェットフードをあげてみる : 食べることは食べたが、やはり食欲に変化なし

・免疫力が高まるというアガリクスリキッド : フードに混ぜて与えたが、効果なし

・部屋の温度管理

などなどです。細かく言うとたくさんあるのですが、なるべく快適に過ごせるように心掛けました。

反省点

・当時は仕事が忙しく、それにかまけて、水を交換しない日やトイレ掃除をしない日があった。また、食器洗浄も頻度が低かった。

・チロは優しい猫で、人からも猫からも愛されていたため、ストレスを感じていないと思っていたが、一番年齢が若く、多くの年上猫に囲まれてストレスを感じていたのかもしれない。

チロがFIPで亡くなってから、我が家では、衛生管理も含めて猫への接し方が変わりました。チロは私たちにいろいろなことを教えてくれました。

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